〜Microsoft365活用による社風醸成〜
事業推進室(H)/クラウドSI部(T)
社内ポータル導入の背景と経緯について教えて下さい。
(H)当社はもともとDXを進めるクライアントに対し、クラウドによるリモートワーク環境を提案・構築したり、エンジニアを派遣しています。
コロナによる急速なリモートワークの普及に伴い、出勤していたころのような社員同士のコミュニケーションがとれなくなっているという状況に対し、SNSを含めた様々なコミュニケーションツールはメールコミュニケーションに代替が効くことがわかりましたが、総務関連情報であったり、部署間のなにげないコミュニケーションの取り方に課題があることが明らかになってきました。
例えば出勤していれば総務に直接尋ねるような内容や、雑談がしやすい場所をセキュアな環境で構築できないかという着眼点が起点としてありました。お客様に提案する前に、自社で作ってみよう、運用してみようというのが自社内ラボのプロジェクトとして採用された経緯です。
MicrosoftのSharePointを利用することになった経緯について教えて下さい。
(H)実はSharePointの選択までには長い道のりがありました。社内広報用のポータルサービスはすでに何社からもリリースされており、運用イメージも発展的で魅力的なものばかりでした。当初、こういったサービスの導入を検討しましたが、定着するまでの運営と運用に対する新たな負荷を懸念しました。
例えば、新たなログインが必要となってしまうことや、業務用途に応じ複数のサービスを切り替えて使うことの手間など。この手間はこのプロジェクトを机上の空論で終わらせることを物語るのに十分な理由でした。
目的と手段が入れ替わってしまっては、意味がありません。
気軽にすれ違ったり、プライベートな情報を共有したり、総務に書類をリクエストできる場所を実現するために、私達は日頃、もはや無意識にログインしているMicrosoft365の中にコミュニケーションスペースを構築することにしました。SharePointはまさにうってつけのアプリケーションだったのです。既にMicrosoft365を利用していたため、追加のコストが発生しない点もプロジェクトを進める上で大きな理由となりました。
社内ポータル上では業務以外の話ができるサロンを作ろう!ということで「THT-SALON」と名付けられ構築がはじまったのです(笑)。
設計はどのようにされたのでしょうか?
(H)まず新入社員をターゲットとし、「まずはここを見てほしい」という目線でつくりました。
就業規定や労務関連資料、全体連絡事項などを確認できるなど、総務のオペレーションを効率化するインフラという位置づけにし、各社員の連絡先やプロフィールを閲覧できるようにしました。
会社の事業計画などもいつでも確認できるようにし、自身の業務の位置づけを可視化しました。
また、教育用のコンテンツも動画や資料を集約させ、空いている時間を有効活用できるようにしました。
次に、本社出勤・常駐先・出張先・在宅勤務など様々な環境下にあっても、事務的なやりとりや、部門間の交流、部下の育成効率をあげることができるインフラツールを意識しました。
レイアウトは、アクセス頻度が高いものや更新・交流要素が高いものを上位表示させ、固定情報は下位表示としました。
そしてスマホからのアクセシビリティを最優先としました。
構築に苦労されたとのことですが?
(T)SharePointのユーザーインターフェースと機能の自由度とクセを把握するのに時間を要しました。ネットにも情報がのっていない領域だったことは意外でした。デザインやレイアウトに自由度がない分、代替手段を考えることに時間を費やしましたが、自由度がない=使いにくい、ではなく、選択肢が限定されているからこそ迅速かつシンプルにツールを使いこなすことができるというMicrosoftの戦略を知ることにもなりました笑
機能を実装できたとしても、ユーザーが本当に使いやすいのかを追求していくため、視覚的に表現していかなければならないため、エンジニア目線だけでなく、デザイン思考が必要でした。構築の際のコツや手順をマニュアル化しながら構築を進めたため、社としてのナレッジを蓄積することができました。
導入後の様子はいかがですか?
(H)なにげないものではありますが、スタッフの自己紹介ページは評判が良く、普段知ることができなかった社員のパーソナリティを共有することができるようになりました。
新しい発見は、なにげない会話を生むので、業務上のコミュニケーションも円滑かつユーモラスに執り行うことができます。点在していた業務資料を一元化したり、今まで発信していなかった業務連絡やつぶやきなを投稿したり、連絡先一覧を設けるなど、部署間のコミュニケーションが以前よりも円滑になっているのではと思います。
今後の展望や課題について教えて下さい。
(H)従業員の利用度を更に活性化させるべく、習慣化するような運用を心がけていく予定です。資格情報や日記リレーなども企画としては考えています。運営側と同じくらい利用側も欲をもってもらえるとラボプロジェクトとしても嬉しいですね。新しい社風として定着化させてゆきたいと考えています。
気をつけないといけないこととしては、業務情報に偏り過ぎないように、ゆるさをどう維持するかということだと考えています笑。
(T)将来的には当社のCloud構築のオプションパッケージ、さらにはメタバースによるオフィスなども想定したスタートアッププランとしてパッケージ化してゆきたいと考えています。
そのための運用経験と、SharePointの限界にさらにチャレンジしてゆく取り組みをしてゆきたいと考えています。例えばSharePointだけだとPULL型のしくみに過ぎませんが、PowerAutomate/PowerAppsなどを連携させることでPUSH型のしくみにもなります。 コストを最小限に抑えた手法のひとつとしてご提案することができるでしょう。
最後にひとことお願いします。
(H&T)UX(ユーザー体験)からUI(画面設計)を考え、ミニマムなシステムでPDCAを回していく。そうした共同研究開発もTHTでは行っていますので、新しいプロジェクトをご一緒できる企業様がいらっしゃいましたらお声がけください。
댓글